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AIJエンカレッジ金沢は、「アドラー心理学」を学んでいる自主学習グループです。アドラー先生から続く教えを宝として、人と争うのではなく、問題を話し合いで解決し、助け合って暮らすことを目標にしています。そのためにはどうすればよいのかを、仲間とともに楽しく話し合いながら学んでいます。親として、夫として妻として、職業を持つものとして、いろんな立場の人が参加しています。


by AIJエンカレッジ金沢
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エンカレッジ金沢 11月例会

11月12日(日曜日) PM1:00~PM4:00 参加者8名

今回は私と小学校2年生の息子(K)の事例で話し合いました。Kがスイミングの後、私の仕事の都合により、おばあちゃんの家に行くことになっていて、早くおばあちゃんの家に行きたいのに、その前に友達の家で遊んでいる姉(A)を迎えに行かなくてはいけないことに腹を立てるというものでした。
私は、思い通りにならないと怒って暴言を吐いたり、乱暴をしたりしてくるKに陰性感情が出てしまいます。

<事例>  
 兄弟構成 長女11歳・長男7歳・次女4歳(すでにおばあちゃんの家にいる)
 車の中・・・運転している母親と後部座席に座る息子

母 :今からおばあちゃんの家に行くけど、その前に今A、友達の家で遊んどるし、A迎えに行ってから行くわ。                             
K :そんなん早く行きたいしいやや。俺のこと先におばあちゃん家送ってから、A迎えに行ってや。 
母 :それやったら時間かかるし、ロスタイムや。今から仕事も行かんなんし、それはできんわ。(-1)
K :俺、Aと行きたくないげんて。 
母 :なんで?どうしたん? (-1)
K :Aと行ったら、先にリモコン取られてテレビ見れんげんて。
母 :あ~そうなんや。そんなことあるんやね。
   でも仕事間に合わんくなるし、それはできません。(-1)
K :足で後ろから座席を蹴ってきて、「行かんといてや」と言う。
母 :Aのところへ向かう。(-3)
K :じゃあ、俺、Aのこと車に入れんし、と言って鍵を全部閉める。

友達の家に着き、Aを呼びに行ったらもう一人友達がいて、その友達を車に乗せていくことになり、KもAの友達がいることで冷静になり、Aと友達を割とすんなり車に乗せることができ、出発しました。

◎参加者の質問より
Q今回のことはK君に事前に話していましたか?
 「友達のうちにAを迎えに行くのは突然決まったので、スイミングに迎えに行った後に話しました。」
QK君をおばあちゃんの家に送ってからAちゃんを迎えに行くとどうなりますか?
 「それだと往復20分ぐらいかかるので、仕事に行くのに間に合いません」
QAちゃんと友達を車に乗せた後K君はどんな様子でしたか?
 「静かにしていて、そのうち眠ってしまいました。」
おばあちゃんの家に行ってからK君とAちゃんはどんな様子でしたか?
 「おばあちゃんに聴いたところ、特にトラブルもなくいつも通りだったみたいです」
Qおばあちゃんの家に行く際、2人はリモコンのことでケンカしますか?
 「いつもはそんなことはあまり言いませんし、リモコンでケンカすることもあまりありません。」
Q今回のお話でどんなところが気になりますか?
 「思い通りにならないと、車を蹴ったり、暴言を吐くところです。」

◎ロールプレイをして、Kの気持ちを考えてみる
Aは友達の家で楽しんでるし、スイミング終わったらおばあちゃんの家にすぐに行く予定やったんに、自分のプランが崩れるのは嫌だな。
・お姉ちゃんが中心。俺中心じゃない。・お姉ちゃんのほうが優遇されてると思った。
・蹴ってるのにお母さんが冷静なのがちょっと許せん。かまってもらえてない。冷たい。
・理不尽やなあと思った。

◎1-Lの子育ての目標を点検する
心理面の目標:「私には能力がある」「お母さんは仲間」はどちらも感じられないと言う意見がありました。お母さんはAちゃんの仲間と感じるという意見もありました。
行動面の目標:「自立する」「社会と調和する」もどちらも向かっていないという意見でした。

◎ブレークスルークエスチョンを使って適切な面を探す。
<Kのいいところ>
・早く行くためにあきらめずに行動している、思いを言葉で伝えている、母さんの仕事のためAちゃんとおばあちゃんの家に行くことを納得してくれている、気持ちを切り替えることができる、 場に応じて対応できる、正直、お母さんを信頼している。などの意見が出ました。
<私のいいところ>
・冷静、優しくきっぱりしている、相手の意思や感情を理解しようとしている、感情のコントロールができる、ユーモアがある、余裕、K君ことを理解している。などの意見が出ました。

◎Kに学んでほしいことを考える
「家族に協力する」にしました。

◎学んでもらうために工夫できることを考える
パセージのテキスト
☆11-L-5 
 開いた質問を使う・・・「そんなん早く行きたいしいやや」の後に、お母さんの意見を言わずに「なんで?どうしたん?」と聴くのがよいのではないか
28-R
 選択できない可能性・・・
①今回の場面ではお母さんが仕事に遅れるのでK君だけ先に送ることは選択できない
②座席を蹴ってきた時は「危ないので、運転はできません」と車を停める。
☆24-L
 目標の一致・・・「K君とAちゃんがおばあちゃんの家に行く」ということは事前に目標の一致が取れていたが、Aちゃんを友達の家に迎えに行くことが急に決まったので、このことについてK君の目標と一致が取れていない。
事後承諾になっている。
K君の目標→早くおばあちゃんの家に行きたい。
お母さんの目標→Aちゃんを迎えに行ってからおばあちゃんの家に行きたい。
☆18-L
 子どもの行動と関係しない親の課題を共同の課題にする・・・お母さんは仕事に遅れるわけにはいかないので、Aちゃんを迎えに行ってからおばあちゃんの家に行くことをお願いするとよいのではないか
☆20-L・22-L
 お願い口調・頼み方のこつ・・・横の関係でお願い口調を使ってお願いする。
  
◎代替案を考える
1番初めの段階Aちゃんが友達の家に行っているから、Aちゃんを迎えに行ってからおばあちゃんの家に行きたいんだけど、申し訳ないんだけど協力してくれる?とお願いしてみる。 
車だと後ろ向きになるので、私のほうから、スイミングから駐車場の車のところまで行く道で話してみようかなと提案した。スイミングの話も入れながら楽しく話す工夫をする。

◎代替案でロールプレイしてみる
母 :今日のスイミングどうやった?
K :楽しかったよ。今日、・・・・・(いろいろ話をする)
母 :なんかAが今友達の家におるげんけど、暗くなってしまったし帰ってこれん みたいやし、申し訳ないんやけど、A迎えに行ってからおばあちゃんの家行ってもいい?
K :え~。早く行きたいげんけど。
母 :そうしたら助かるし、お願い。協力してくれる?
K :いいよ。わかったよ。

K君になって感じたこと
・困っているお母さんに協力できる、Aちゃんにも協力できる。
申し訳ないんだけど・・と言われたり、助かると言われたりしてお母さんに協力しようと思った。
・お母さんは自分のことも考えてくれているのだと思った。 
心理面・行動面の目標で点検
・私は能力がある、お母さんは仲間だと感じる。→どちらも向かっている。
・自立する、社会と調和する。→どちらも向かっている。

◎今日、どんなことを学んだか?
・目先の対応で学んでほしいことをつい考えがちだけど、1歩引いて全体を見ると学んでほしいことが出てくる。
・今日みんなで考えたこの過程がとても大事で、そうするとどうしたらいいかが出てくる。
・相手からマイナスの感情が出てくる時はその前に私の行動がある。

◎事例を検討して私自身が学んだこと
今回、事例を出させていただき、Kの気持ちに触れ、私がいつも一方的に決めていたり、Kの気持ちに寄り添ってないことを実感しました。同時に、些細な日常の一コマでも私の対応によっては、心理面の目標や行動面の目標に向かわないということが分かり、一つ一つのことを子育ての目標に向かうかどうかを考えて対応することの大切さを実感しました。
KはいつもKなりの思いがあり、それも筋が通っていることが多いので、今後はいつでも目標の一致を考え、一つ一つ丁寧に手続きを踏んで共同の課題にすることを大切にしたいと感じました。話し方、聴き方、お願いの仕方なども、とても考えさせられました。
また、相手からマイナスの感情が出てくる時はその前に私の行動がある、というメンバーからの意見を聴き、Kとのたくさんの場面が頭に浮かんできました。自分の行動を見つめ直すいい機会となりました。そして私のことを例会中にいつでも勇気づけしてくださったメンバーみなさんの温かさに感謝でいっぱいです。ありがとうございました。



    
        
 




by alfred2017 | 2017-11-30 20:50