エンカレッジ金沢は、「アドラー心理学」を学んでいる自主学習グループです。アドラー先生から続く教えを宝として、人と争うのではなく、問題を話し合いで解決し、助け合って暮らすことを目標にしています。そのためにはどうすればよいのかを、仲間とともに楽しく話し合いながら学んでいます。親として、夫として妻として、職業を持つものとして、いろんな立場の人が参加しています。


by エンカレッジ金沢
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10月例会

10月1日(日)13:00~16:00 参加者5名
今回の事例は、小学2年生の男の子の食事の仕方について気になっているというお話でした。Aさんは、子ども(B君)が食事の際に左手をだらりとおろしているのが気になり、左手も使うように話をし、食事のたびに気が付くように声をかけたり合図をしたりしているそうです。B君はその時は直しても、また左手を使わないということが数年続いているという状況です。
                   
[事例] 昼食時(ラーメンを食べている)
Aさん:ちゃんと左手使って下さい(感情は-1) 

  B君:はーい (感情は+1~2)
Aさん:どうして左手出して食べないといけないかわ
     かる?
 B君:うん。お行儀悪いから (感情は+1~2)
Aさん:そうやね。この前、神戸のおばあちゃんち行
    った時、給食みたいなガチャガチャ食べて
    てお母さん恥ずかしかったわ

 B君:うーん(感情は+1~2)
Aさん:おうちでお行儀悪かったら、外で食べても
    お行儀悪くなるんよ。大きくなって、安倍
    総理大臣とご飯食べることがあるかもしれ
    んよ。その時にお行儀悪かったら恥ずかし
    いよ。B君はちゃんとご飯の食べ方教えて
    もらってないな、って思われるよ
 B君:えー、僕、安倍総理大臣とご飯たべるんか
                                       
◆参加者の質問より
Q:Aさんは、どこが一番困っていますか?
  「右手だけで食べようとしたことです」
Q:いつ、(左手のことを)言ったのですか?
 「食べ始めてすぐに言いました」
Q:その後、どうなったのですか?
 「左手を使っていたのですが、気を抜くと右手だけ
  になって、(私が)あーっと言ったらすぐに直し
  ていました」
Q:B君の「はーい」はどんな感じでしたか?
 「わかってますよ~っていう感じです」
Q:いつごろからですか?
 「何年も前からです」
Q:左手を使うこともあるのですか?
 「お茶碗は左手で持ちます。お皿のおかずになると左
  手が出ないです」
Q:Aさん以外の家族の人たちはB君に注意されます
  か?
 「わたしのいない時はわかりませんが、注意してい
  ないと思います」
Q:家族の人たちもB君の左手のことを気にしていま
  すか?
 「気にしていないと思います」
 (家族の人たち自身も食べ方が良いというわけでは
  ない、とのこと)
                                                          
○ロールプレイをし、B君の気持ちを考えてみました
 ・いつも言われていることをまた言われて「しまっ
  た」という感じ
 ・おばあちゃんの家での話、聞きたくないな
 ・お母さん、恥ずかしいの?
 ・食事が楽しくないな
 ・安倍総理大臣の話でちょっと話題を変えられるか
  な
                                                                  
子育ての目標の「私には能力がある」「自立する」「社会と調和して暮らせる」については、“感じられない”が多く、「人々は(お母さんは)仲間だ」については、“仲間だと思う”“あまり思わない”の両意見がありました。
       
○ブレイクスルークエスチョンズを使って、B君とAさんの適切な面を探します
                      
B君は、(左手を使わないことが)お行儀が悪いこととわかっている、お母さんの話を理解している、お母さんが言っていることを守ろうという気持ちがある、感情的になっていない、長い話を聞いていて集中力がある、機転がきく、食欲旺盛といったことが挙がりました。
                  
Aさんは、言葉遣いが丁寧、工夫して説明しようとしている、感情的になっていない、日本人として生きていくための大切なことを身に着けて欲しいと思って伝えている、等挙がりました。
         
○子どもに何を学んでもらえばいいのかを考えます
 ・学んでほしいことは、“左手を使って食べる”と
  しました。
                                        
◆ここで、パセージテキスト2L (どんな場合に子どもは不適切な行動をするか)について2L1~4のどれに当てはまるか考えてみました。
                             
2L-3かな、という意見と、2L-4 かなという意見が挙がりました。
             
2L-3(その行動が不適切であることは知っており、適切な行動も知っているが、適切な行動をしても望む結果が得られないと信じているとき)の理由として
・食欲を満たしたいことが優先になっているのかもし
  れない
・(左手を使うことは)面倒でできないのかもしれな
  い
                                            
2L-4
不適切な行動で注目や関心を得ているとき)の理由として
・(パセージテキスト3Rと12Rを読んで)
 子どもの不適切な行動をやめさせようとする努力
 がかえって注目になってしまっている
・口をすっぱくして言うからこそ、子どもは不適切
 な行動をやめない
・不適切な行動は意識的か無意識的かわからない
                         
○子どもに学んでもらうためにどんな工夫ができるか考えました
                  
①B君が「はーい」と言って左手をだしたことについて感謝を伝えてはどうか
   (パセージテキスト10L-3)

②B君が左手を使わないことには注目せず、B君の食欲旺盛な姿に注目して、食事を楽しくすることをしてはどうか
    (パセージテキスト4L-2,3)
     (勇気づけのうた 9)
                                
Aさんは、左手を使わないことに触れないとどうなるんだろうといった不安のような様子があったので、
①と②の2つのパターンでロールプレイをしてみることにしました。
                
○2つのパターンのロールプレイをしてみて
 ①のパターンの時のB君の気持ち
 ・お母さんはいつも左手が気になっているんだな
 ・お母さんを喜ばせたかな
 ・お母さんの望んでいることができたな
 ・評価を受けた感じ(横の関係ではない。上から
  目線)
                                          
 ②のパターンの時のB君の気持ち
 ・たくさんおしゃべりできて楽しかった
 ・(ラーメンが)おいしかった、と思った
 ・お母さんが笑顔でうれしい時間だった
 ・食事が楽しい
                                       
◆ここで、パセージテキスト10L-1,2を読んで話し合いました。
               
お母さんが子どもに対し「こうなってほしい」という思いを持ちながらB君が左手を使ったことに感謝の言葉を言うのと、B君が(いつの間にか)左手を使うことが多く見られるようになった様子を見て、ああ成長したなと感じながら「この頃左手を使っているね」と言うのとでは、B君への伝わり方が違ってくるという意見がありました。
                                   
①よりも②のパターンの方が、子どもが子育ての目標に向かうのではないか、B君は、正しい食事の仕方を知っているので、今は注目を与えず観察してみてはどうか、という意見からAさんは「いまにマナーを身に着けられると信頼する構えが大事なのですね」と納得されたようでした。そして、注目を与えずに観察してみるおっしゃっていました。
                               
さらにテキスト14Rを読み、課題の肩代わりについて話し合い、テキスト24Lにあるように、子どもの目標を的確に知りそれを援助するために自分に何ができるか考える、という点を確認し合いました。
 
今回の事例では、いつも不適切な行動に負の注目をしていて、親が望む適切な行動をした時に正の注目をするのは、しばしば不適切な行動に注目するのと同じことになるということ、エピソードの中でのB君の適切なところをしっかりと見て、すでに知っていること(食事のマナー)はできるようになると信頼することが勇気づけになることを深く学べました。
Aさんは日頃からB君に様々なマナーやその他にも知っておいて欲しいことをとても熱心に丁寧に伝えておられます。それらをよく理解しているB君の成長を長い目で見つめ認めていきたいですね、と話し合えた例会でした。



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# by alfred2017 | 2017-10-22 22:25

9月例会

9月3日(日)13:00~16:00  参加者6名

今回の事例は中学2年生の男の子(A君)が、お風呂の後、バスタオルをバスタオル用のハンガーにかけずに、テーブルの椅子にかけてそのままにしている、というお話でした。母親のBさんは、これまでに何度もバスタオルはハンガーにかけてほしい、と伝えてこられました。A君は言われるとすぐにするのですが、また元に戻るということが1年ほど続いているそうです。
(バスタオル用のハンガーは3列タイプで、手前の列がお父さん・真ん中の列がA君・奥がBさん、とかける位置が決まっているそうです)
  

[事例]
バスタオルが椅子にかかっている (感情は-1)
母:「ねぇねぇ、バスタオルここにかけるとラクかもしれないけ
   ど、ここに置くと匂いもするから、向こうにかけた方がい
   いと思うよ。お母さんも助かるんだけど」(感情は0)
A:「ああ、うん」 (感情は+1~2)
   すぐにかけた。
 (しかし、2日後から再び椅子にかかっている)
                                  


◆参加者の質問より
Q:A君は椅子にかけると都合いいのですか?
「ハンガーの真ん中にかけるのが面倒なのかなと思う。体を拭きながらリビングに来てパッと椅子にかけて行ってしまうんです」
Q:Bさんは何を困っているのですか?
「匂いがしてくるし、見栄えがよくないし、木の椅子だから湿ったものをかけるのもいやだし」
Q:匂うというのは本当にそうなのでしょうか?
「そんな気がします。・・・やはり1番困るのは見栄えが悪いことですかね。2番は匂いがするかもしれないこと。3番は木の椅子に湿ったものを置かないで欲しいということです」
                                                         


具体的に何に困っているのかと聞かれることで、Bさんもゆっくりと自分が考えていることを整理していっている様子がみられました。
                                                        

○ロールプレイをしてA君の気持ちを考えてみました。
 ・お母さんが最後に“助かる”と言ったら動いた
 ・タオル用ハンガーにかけることはわかっている
 ・(お母さんは)何か気になるんだろうな、と思っていた。
 ・なんとなく(言われていることが)頭に入ってこない
 ・まぁ、今日はいいよ、という感じ
                                                        


○ブレイクスルークエスチョンズを使って、A君とBさんの適切な面を探しました。
 A君は、口答えせず、素直にお母さんの話を聞き、行動に移せ
 ている。家族を信頼し、家の中で居心地良く暮らしている、と
 いったことが挙がりました。
 Bさんは、マイナスの気持ちを抑えてから話をし、横の関係で
 いようと、言い方を工夫されている。家族が居心地の良いリビ
 ングにしたいと思っている、など挙がりました。
                

○子どもに何を学んでもらえばいいのかを考えました。
 ・学んでもらうことを考える中で、『家事は誰の課題か』に
  ついてテキスト18Rを読んでみることになりました。 
  

この後、挙がった意見
 ・A君にも家事についての責任がある。家族の一員として家事
  の一端をどう担うかを学んでもらう
 ・リビングを居心地良くすることもA君に家族としての責任が
  あることを学んでもらう
                


Bさんは、A君の行為を迷惑に感じているようなので、テキスト17L『子どもの課題を共同の課題にする』を読み、さらに17R『実体的な迷惑と心理的な迷惑』も読んでみました。
                             

Bさんの感じている迷惑はどうも心理的な迷惑ではないか、とBさん自身も感じたようでした。
             

そこで、家族の全員ができることを相談するために家族会議を開いてみてはどうか、ということになりました。
      


○代替案の『家族会議』をロールプレイしてみてから、家族会議をどのように進めていくとよいかを考えました。
 ・まず、会議に集まってくれたことへのお礼を伝える
 ・日頃A君が協力してくれていること(自分が使った食器を洗
  ったり、食事を並べたり)をうれしく思っていることを伝
  え、でも1つだけバスタオルについて困っていて、どうし
  したらいか相談をしたいともちかかける
 ・A君はハンガーにかけることが面倒で困っているのではない
  かということも伝える
 ・会議で無理に結論を出そうと思わずに、「考えておいてくれ
  ませんか」と継続審議にし、家族が考える期間を持つなど、
  会議の終わり方も考えておく
                           


◆ここで、テキスト17Rの“心理的迷惑は断られる可能性が高い”と書かれていることに着目してみましょうという意見がありました。
                                                  

そして、A君から断られた場合の覚悟を持っておくことが必要だという意見がありました。

・家族会議の議題の切り出し方として
 「これは私の好みのことで申し訳ないのですが、みんなに協力
  してもらいたいんです・・・」と、価値観の違いであること
  をはっきりさせたうえで言ってみてはどうか。

・断られた場合には
 「じゃあ、お母さんが片づけておいていいですか」と横の関係
  に立って、気持ちよく引き受ける、ということもできるので
  は

・協力してくれた場合には
  Bさんは、これまでA君に対し「バスタオルはハンガーにか
  けるべき」という視点でいた為にうまくいかなかったのかも
  しれない。もしこの会議をした後にA君が協力してくれるよ
  うになったら、必ずお礼を伝えるといいと思う
                                   


Bさんは、代替案になった家族会議は初めての試みになるので、会議に対する家族の反応がやや心配な様子でした。でも、その進め方についてメンバーと細かく話し合いをするうちに「できそうな気がする」と言って下さいました。さらには、「会議をするにあたって断られた時の自分の対処まで考えておくことで気楽になれますよ」との意見が挙がると、とても前向きで明るい表情になり、「やってみたら報告もしたいわ」と言って下さいました。
                      


私は今回の進行役をさせて頂きました。手順表を見ながらのたどたどしさ満載でしたが、未熟ながらも体験させて頂くと、事例提供者のBさんの表情や納得具合を注意し見ていたように思います。また、家族会議をするにあたっては、その心構えや会議の終わり方を考えておく等、私自身にも大きな学びがたくさんありました。
私にはまだまだ先読みの力はありません。しかしながら、大ベテランのメンバーさんたちのあたたかい支えでBさんとともに勇気づけられたと感じています。これからもっともっと学びを深めていきたいと思います。





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# by alfred2017 | 2017-09-17 15:00

【8月 昼の例会】

8月6日(日)13:00~16:00 参加者8名 

今回は、お隣の福井県の方が参加してくださいました。北陸3県が互いに学びを深め合っていくことができることを、とても嬉しく思いました。

事例は、Aさんがお子さん(Bくん 小2)と子供会のバーベキューに行った時のお話でした。他の参加者の中には、以前同じ場所に来たことがある方もおいでましたが、Aさんには初めての場所でした。

先に食事を終えた子どもたちは遊びに行きました。しばらくすると、BくんがAさんに川で遊んでもいいかと訊きにきましたが、Aさんは、川は危険だから遊ばないでほしいと伝えました。
Aさんが食事を終え川へ行ってみると、ほかの子どもたちは川で遊んでいましたが、わが子だけが座って見ていたというお話です。(Aさんの家の前には大きな川があって、川が危険なことを日頃から伝えていたそうです)

ロールプレイをして、Bくんの気持ちを聞いてみました。
・自分では、この川は遊んでも危険はないと判断した。しかし、日頃、川で遊んではいけないと言われているので、「だめ」と言われるだろうけど、お母さんに背中を押してもらいたくて訊きに行った。
・冒険してみたい。友だちと一緒に遊びたい。
・「だめ」と言われて残念。
・“自分には能力がある”“お母さんは仲間だ”というのは微妙。

ブレイクスルークエスチョンズを使って、Bくんの適切な面を探しました。
・お母さんとの約束を守ろうとしている。
・人の話をしっかり聞いて理解している。
・現実を冷静に受け止められる。
・我慢ができる。自制心、律する力がある。
・冒険したい、みんなと遊びたい、セーフティーゾーンが広がって、順調な発達。
 等々、いっぱい見つかりました。

お母さんの適切な面も探しました。
・日頃から話し合っている。
・頭ごなしではない。しっかり説明している。
・子どもの気持ちを推し量っている。
・悪いところを反省して謝っている。
・ありがとうと感謝している。
(川を見て、一緒に遊びたかったねと謝り、約束を守ってくれてありがとうと伝えた)

子どもに何を学んでもらえばいいかを考えました。
・「お母さん、川を見にきて」と言えればよかった。自分の思いを言葉で伝えるということを学んでもらう。
・自分の思いを言葉で伝えるというのは手段。学んでほしいことは、さまざまなことを実際にやっておいてもらうということ(5R)
・経験の中で、この川は安全、この川は危険と判断する力が育つ。その経験ができるためにも、お母さんにだめと言われても、大丈夫だと判断した理由を説明するなど、主張的に頼むことを学んでもらう。
など、たくさん話し合えてよかったです。
Aさんは、Bくんに『(さまざまなことを実際にやっておくためにも)自分の思いを言葉で伝え主張的に頼む』ということを学んでもらうことにしました。

そのための工夫で使ったページは、5R,20R,16L,11L,22L,10L,36R,24L
工夫は、横の関係で、開いた質問を使って子どもの話を聴き、目標の一致を図るということです。

代替案をロールプレイし、子どもが子育ての目標に向かうことを確認しました。
Aさんは、マイナスの感情がすぐプラスにはならないが、子どもの適切な面を考えたり、開いた質問をしたりしているうちに段々と落ち着いて、目標の一致が図れたと言っておられました。
代替案では、Aさんも川を見に行くことになりましたが、ご飯を食べ始めたばかりだったので、いつ見に行くかも子どもと相談して決めることになりました。

Aさんのご家族が、お子さんと命の大切さをしっかり話し合い、慈しんで育ててこられた歴史を感じました。しかし、大人から大切に守られてきた子どもも、羽ばたきの準備を始めたのだと思いました。話し合いの輪には、子どもが巣立ったメンバー、羽ばたきの練習中のメンバー、かつて自分が巣立った側のメンバーがいて、子どもが巣立ったメンバーからの体験談を聞いて、いずれやってくる巣立ちに向けて腹を据えることが子どもを勇気づけるのだと思いました。
メンバーがそれぞれの立場からBくんの成長を考え、楽しく話し合いながら学ぶことができました。
ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。
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# by alfred2017 | 2017-09-02 13:56